DarwinStreamingServer

 

DarwinStreamingServerとは

 あまり聞き慣れないこの「DarwinStreamingServer」。これはアップルコンピュータのサイトから無料でダウンロードできる「Open Source」のQuickTimeStreamingServer です。Mac OS X Server で動作するのが「QuickTimeStreamingServer」、その他 UNIX などで動作するのがこの「DarwinStreamingServer」と呼ばれるものです。Source Code をダウンロードすることもできますが、コンパイルされたバイナリもいくつか準備されていますので、手軽にストリーミングサーバーを構築することができるようになっています。現在は以下のバイナリが用意されています。

OpenSourceStreamingServer

注意:ダウンロードは無料ですが、Apple Public Source License にオンライン上で同意する必要があります。私も登録してからダウンロードを行いました。

  • Red Hat Linux 7.1
  • Solaris 8
  • Windows NT Server
  • Windows 2000 Server

DarwinStreamingServer インストール

 ここでは Sparc で動作している Solaris 8 のマシンにバイナリをインストールします。まずバイナリを入手します。バイナリは以下のように tar.gz 形式で圧縮されています。

DarwinStreamingSrvr4_0-SunOS_tar.gz

 入手したら解凍->インストールを行います。インストールに成功するとDarwinStreamingServer のプロセスが起動します。作業の様子は以下のようになります。

server user>gzip -dc DarwinStreamingSrvr4_0-SunOS_tar.gz |tar xvf -
server user>ls
AdminHtml/                   readme.pdf 
DarwinStreamingServer* relayconfig.xml-Sample
Install* sample.mp3
MP3Broadcaster* sample_100kbit.mov
PlaylistBroadcaster* sample_300kbit.mov
StreamingLoadTool* sample_56kbit.mov
StreamingServerModules/ streamingadminserver.pl*
perlpath.pl streamingloadtool.conf
qtgroups streamingserver.xml
qtpasswd* streamingserver.xml-sample
qtusers server user>su <-イントールはスーパーユーザーで行います #./Install Installing Darwin Streaming Server
... ...
Enter DSS Administrator Username : abcde <-ユーザー名を入力
DSS Administrator Password cannot contain spaces, or quotes, either single or do
uble, and cannot be more than 80 characters long
Enter DSS Administrator Password: <-パスワードを入力
Re-enter DSS Administrator Password: <-パスワードを再入力
Adding userName abcde
Setup Complete!
# exit server user>ps -e PID TTY TIME CMD
0 ? 0:15 sched
1 ? 0:13 init
2 ? 0:00 pageout
3 ? 117:08 fsflush
462 ? 0:00 sac
266 ? 0:01 sendmail
240 ? 0:00 cs00
56 ? 0:00 sysevent
58 ? 0:00 sysevent
155 ? 0:02 rpcbind
... ... ...
17306 ? 0:00 smbd
14598 ? 0:29 smbd
17625 ? 0:00 streamin <-DarwinStreamingServerのプロセス
17897 ? 0:00 streamin <-DarwinStreamingServerのプロセス
17509 pts/3 0:00 csh
17898 ? 0:00 streamin <-DarwinStreamingServerのプロセス

DarwinStreamingServer の設定

 インストールが終了したら、サーバーにアクセスします。ここで「ServerName」はインストールを行ったサーバーのマシン名かアドレスです。設定はブラウザ上から行うことができます。Netscape4.7 だと一部、JavaScript のエラーが発生しましたが、InternetExplorer6 だと正常に設定することができました。

http://ServerName:1220

 すると以下のようにログイン画面が表示されます。

図01-1. ログイン画面

 インストールするときに設定したユーザー名をパスワードを入力してログインします。メニューも日本語化されているため、比較的簡単に設定を行うことが可能です。私の場合、インストールからサーバーの設定まで10分ほどで行うことができました。

図01-2. メイン

図01-3. メニュー

 設定項目は以下のものがあります。

  • 一般設定
  • ポート設定
  • リレー設定
  • ログ設定
  • プレイリスト

 設定項目以外では以下のものがあります。

  • 接続中のユーザ:現在サーバーに接続しているユーザーを表示します
  • リレーの状況:そのなの通りです
  • エラーログ:エラーログを表示します
  • アクセス履歴:アクセスログを表示します

 

 それでは設定項目を簡単に説明します。一般設定ではムービーの保存先ディレクトリを設定します。またサーバーの能力に応じて最大接続数・最大スループットを設定します。

図01-4. 一般設定

 「WebServer」と同じ80番のポートを使用するかを設定します。チェックするのをおすすめしますが、同じサーバーで iPlanet などのウエブサーバーが動作している場合には同じポートを使用することになってしまうのでチェックは行いません。

図01-5. ポート設定

図01-6. リレー設定

 ログ設定では以下のようにローテーションの時間などを設定できます。

図01-7. ログ設定

 プレイリストを作ると、いくつかのファイルを一つにつなげてテレビ番組のように配信することが可能になります。ちなみにプレイリストで作られたものは常にサーバー内で再生を行っているので、オンデマンド型コンテンツと微妙に異なった性格のコンテンツに仕上げることができます。おもしろい機能だと思うのですが、あまり使われていないのが残念です。

図01-8. プレイリスト

 プレイリストで「新しいムービープレイリスト」をクリックして新しいプレイリストを作ります。クリックすると以下のような画面が表示されます。一般設定の「メディアディレクトリ」で設定した場所に保存されているファイルが表示されるので、そのファイルをドラッグしてプレイリストに追加します。

 「名前」と「マウントポイント」を設定したら、「変更を保存」ボタンをクリックします。

図01-9. ムービープレイリストの詳細情報

 すると図01-8 のプレイリスト画面に戻ります。その画面で作ったプレイリストを再生すれば作業終了となります。作ったプレイリストを確認するには QuickTimePlayer の「URLを開く」に以下のように打ち込みます。ここで「ServerName」はインストールを行ったサーバーのマシン名かアドレス、「sdpname」は図01-9 の「マウントポイント」で記述した「.sdp」を取り除いたものになります。

rtsp://ServerName/sdpname

その他の設定

 このままの状態では再起動するたびに、プロセスを起動させなければならなくなります。それは大変面倒なので起動プロセスに登録をしておきましょう。/etc/rc3.d/rc.local ファイルに追加を行います。

/usr/sbin/DarwinStreamingServer &

 このように非常に簡単に DarwinStreamingServer は設定することができます。それも無料です。現状としては RealVideo,WindowsMedia に比べて非常にシェアが狭い QuickTime ではありますが、マシンさえあればこのように手軽にストリーミングサーバーを構築できるというのはとても魅力的ではないでしょうか。

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